「国宝」は今年上映された映画で一番良かった。
観終わって映画館を出たときに、観る前とは別の世界になってる感じがあった。良い映画を観たときになるアレだ。
すごく良かったので感想をまとめます。あと感じた違和感2ヵ所についても書く。
映画「国宝」で感じた違和感が2ヵ所ある【映画の感想】
冒頭の少年期役の女形からして凄かったので、すんなり話に引き込まれた(黒川想矢さん。どっかで見た俳優さんだなと思ったら、「からかい上手の高木さん」で主人公やってた人やないかい)
途中、もっともホッとしたのはケンカすると見せかけて冗談でかわしたところ。
「この後の展開、対立構造になったらイヤだなー」と思っていたので、すんごい安心した。
やっぱり最近のお話の悪者を作らない感じのストーリー傾向はいいですね。
主演2人はすごすぎ。
屋上のシーン、舞台の映像美、どアップで迫真の表情を見せるところ、あと田中泯の化け物感、すごいとこだらけだった。
違和感を感じた2ヵ所
で。めちゃめちゃ良かっただけに「ん?」と感じたシーンが2ヵ所あって。
1つ目は、神社で悪魔に願掛けするところ。
「神社で悪魔に祈る?」のシーンが、どういう信仰心なん?とか余計なことを考えてしまった。
このシーンは神社じゃなく、「親父が亡くなった場所に参る」とかで良かったんじゃなかろうか。
親父役の永瀬正敏さんは冒頭だけで強い印象を残してたし、死に際のかぶいた姿が強烈に主人公の幼心に刻まれているわけだし。あの親父の姿を「芸の悪魔」と重ねて、親父の亡き場所で悪魔に願掛けする感じにもできたんじゃないかと。
2つ目は、大人になった隠し子の娘について。
隠し子の娘っ子は幼少期に出てくるだけで、ストーリー中盤には出てこないし、主人公の芸にも深くは関わってはきていない。
その娘と、大人になってカメラマンとして偶然再会するわけですよね。
で恨み節を言うんだけど、話すうちにだんだんと物語を総括するような感じで「あなたの芸はすばらしい」みたいに語りはじめるのがなんか違和感あって。
見てきてないやつにそんな簡単に芸を理解されたくないというか。ここは「最低な親父」というままで恨みをぶつけられるだけのほうが、主人公の芸が純化するんじゃないかと思う。
和解するにしても、娘が後から舞台を目にして、怒りの感情とは裏腹に心動かされる自分がいることを言葉じゃなく表情で見せる、という見せ方とかなんかあった気がする。
なんにせよ最後ぽっと出てきた一般ピープルに言葉でべらべらと「すごい」だの何だの語られると、それまでの主人公のやってきたことが陳腐に感じられてしまう気がして。なんか全体のまとめに入ってる感も「おまえが総括するんかい!」って感じがするし。
個人的には「そう簡単に理解されたくなかった」というシーンでした。
「国宝」の感想、以上!
歌舞伎という別世界をフレッシュに観れてよかったです。
同じ吉沢亮主演なら「僕が生きてる2つの世界」も激推ししておきます。
めちゃめちゃ自分ごととして自己投影できます。とくに田舎から上京したことある人は。
と、一般ピープルである私が語るのでありました。「国宝すごい!」
他、オススメの映画はコチラにまとめています↓
>>>おすすめ【VRアニメ・映画】まとめページ